前原土武(トム吉)の災害支援活動ブログ パート2

日本各地で起こる自然災害の復旧・復興の姿を綴るブログ

熊本地震 ~1~2ヶ月~

熊本地震の各地現地の様子】1~2ヶ月

◇南阿蘇村(立野地区)

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 本震で大きな被害を受けた立野地区 震災の影響で土砂災害が起きた事もあり、避難勧告が解除されず、地元の社会福祉協議会の「災害ボランティアセンター」では活動することが出来なかったのですが、裏山の環境が少しずつ落ち着いてきた事もあり、廃校した小学校を利用してのサテライトが動き出しました。以前から立野地区で活動を行っていた地元団体の「南阿蘇よみがえり」のメンバーと連携して屋根のブルーシート張りなど、活動のすみ分けを行い、少しでも住民の意向に対応出来る様に活動を行っています。

  

◇南阿蘇村(立野地区の避難所)

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 そんな立野地区の方々の避難先は村を越え隣町の大津町に移動しての避難生活が行われています。震災直後から「南阿蘇よみがえり」では立野地区の方々の支援活動を中心に行っており、約1ヶ月近くも毎日の様に避難所内での炊き出し支援を行ってくれました。 大雨に寄り市町村を越えての避難生活、調理を行う環境のない中で、始まった炊き出しも改善を行いながら続けていたのですが、他の避難所などでノロウイルスが出た事で衛生面が厳しくなり、梅雨の時期が近くなった事もあり、避難所内での炊き出しを行う事は出来なくなってしまいました。  

 また熊本県としての支援の一つであると思うのですが、各地の避難所にくまモンが登場し長い避難生活が行われる予想が見える熊本の方々に元気を届けてくれました。

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 1ヶ月を越え、これから長い避難生活が予想される避難所では仮の自治会が発足され、支援者たちもこれから続く支援活動の連携の為の情報共有を意識して行う様になってきました。 またこれからの事を考えると長期化が予想される為、学校関係の建物を利用して避難所を運営している場所から希望者を募り、第二避難所を作り希望する方はそちらで避難生活を行う事も出来る様になり、住民へ説明さこれから長くなる避難生活の体制作りが行われました。

 

◇南阿蘇村(長陽・黒川地区)

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 また被害が大きかった黒川地区では、捜索活動も終え本格的に支援活動が始まり、「OPEN JAPAN」を始め東海大学や竹田社協が設置したボランティアベースから参加してくれるボランティアの方々などのお力をお借りして住民の貴重品を始め、農機具など倒壊したけれど助かったものを救出する活動を中心に展開していきました。

 

熊本市内】

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 また熊本市内で活動を展開している仲間たちはこれまでのネットワークを活かし、避難所支援から民間のボランティアセンターを立ち上げ、熊本市社協で対応出来ない依頼などを対応する動きを始めました。 

 街中では少しずつ他の支援の動きも始まり、長い間避難生活を行われ学習する事が厳しい環境の中で生活している子供たち向けの支援が始まったり、独自に支援物資を配布する動きを行う様になった地元団体などの動きが見え始めました。

 また4年前の「九州北部豪雨」で出会った支援者など関係者と会う機会もあり、市内の中心部に足を運ぶと、これまで見た事ないほど静かな夜の熊本市内があり、ここでも産業的に被害が出ている事を再確認させてもらいました。

 

西原村の様子

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 西原村では役場付近の土地を利用して仮設住宅の建設が始まり、毎日の様に沢山の大工さんが関わり建設がどんどん進んでいます。一方で仮設住宅の建設に地元の大工さんも駆り出され、住宅を直したい地元の方々の声を聴いていると大工がいなくて待っているという声も聞こえてきます。 また被害を受けたご自宅付近の地区では、復旧の目途は程遠くご自宅へのアクセス出来る道を確保出来ていない地域もあり、重機ボランティアの存在は大きなものになっていました。 また避難所やご自宅で生活している高齢者など情報弱者になりやすい方に向けて、今後の生活再建などに欠かせない情報などを少しでもわかりやすく伝えようと狙い制作した印刷物や長期化した避難所に出向きコーヒーの差し入れを行う支援を始めた方もおり、災害ボランティアセンターとは違った独自の支援活動を行っている西原村の形が出来始めています。

 

西原村(農家支援)

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 また専業農家を始め、兼業農家等が多く見受けられる様に感じる西原村。ご自宅が被害を受けた状況の中で、秋の収穫の事を考えご自宅の片付けはそっちのけで作付けに追われている住民の姿を目にしました。そんな中西原村で生まれたのは「農業ボランティア」。一年で最も忙しい作付けの時期に緊急期を迎えてしまった農家の方々を少しでもフォーロする事で、数カ月後の収穫を行う事が出来れば生活再建のサポートになると感じました。 

 またこれまで兼業農家を始め、地元の方が収穫したお野菜、加工した商品(団子、漬物など)などを持ち込み販売していた直売所までの道が壊れ、通行出来なくなった事で来客がいなくなり、販売出来ない状態になった事で、農家の手元にお野菜が売れず、残ってしまっている農家の方々が目に飛び込んできました。 

嘉島町  

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 また益城町の隣であり、メディアなどにも取り上げられずあまり外部の支援の力が集まりにくかった様に思える嘉島町では、アウトドアの経験を持った地元のメンバーが中心に自立避難所を行い、小学校の一角を間借りして避難生活を行っておりました。また炊き出しなども地域の方々で率先して行っており、お話をお伺いに足を運ばせてもらった際には、地域の方々で作り上げた避難所らしくいい雰囲気に包まれていました。

 また嘉島町を走っていると地域内の公園などを利用して仮設住宅の建設が行われており、今後の仮設支援で大きな課題が上がりにくい環境が出来ているように思えました。 

 

益城町の様子

 

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 益城町を中心に在宅訪問を行っている「藍~つむぎあい~」のメンバー 黄・赤紙でもお話を聞きながら、現地を訪れ確認を行いながら出来る範囲での支援活動を行い続けています。益城町では被害が大きかった役場付近の街中と並行して農家が集まる山裾に広がる地域の家屋被害も多く、そういったあまり支援の手が届きにくそうな地域に率先的に回り、様々なお悩み事を聞く活動も行っていました。 中にも地域には農家さんが多く、取り出したい農機具を始め、避難生活の中での農業の再開だけに、作付けなどの農業作業の支援も必要な時期になってきたのかもしれません。しかし、西原村と違い益城町で活動を行っている支援者のメンバーは連携を取り始めたばかりという事もあり、農家の方々を始めどなたにお願いしたらいいのかがわからない様子です。

 

益城町(在宅支援)

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益城町(テクニカル)

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 これまで日本各地で支援活動を共に行いながら、沢山の事を教わった経験豊富な先輩方が震災直後から益城の中心でベースを構え、活動を行っており、重機、スキルを使い使い多種多様なケースのニーズに対応しながら、被害の大きかった住民に寄り添い支援活動を行っています。

 町の中心(木山地区や東無田地区など)が大きな被害を受けた益城町。観戦道路から見渡せる範囲の家屋だけでも大きな被害を受けており、建物だけではなく宅地も崩れ、隣接している建物に寄りかかってしまっているお宅もいくつも見えます。 

 そんな被害の大きな地域ですが、避難所に避難せずに敷地内にテントを建てたり、納屋を改装して生活を行っている方々も多く見受けられます。

 そんな状況の中でも、地域の方々とお話をしながら出来る事を一つ一つ行う経験豊富な先輩方、地元社協の方々と会議を行いながらも一歩一歩活動を行っていました。

 

阿蘇ボランティアベース】

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 少しずつ受け入れの体制が整いこれまで各地の災害地で出会い共に支援活動を行ってきたメンバーが参加してくれるようになった「OPEN JAPAN」のベース、長期組の為に煮炊き、寝泊りが出来るようにと南阿蘇村の長陽地区に「阿蘇ボランティアベース」と題してキャンプサイトを設置されました。 

 

【広域状況】

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 震災直後から県庁などで集まり情報共有の会議を行っていた県内、県外の支援活動のメンバー達。 少しずつではありますが、市町村内で行われる会議も立ち上がり始め。毎日顔を合わせて共有する事が難しくなっていきました。

 被害の大きかった地域(益城・西原・南阿蘇)が比較的に熊本空港から近いという立地条件も重なり、外部からの支援者が飛行機を使いちょくちょくと通いながら支援活動を行ってくれています。

 人的被害では未だ行方不明になっている大学生を創作活動が継続的に行われており、阿蘇大橋が崩れるほど大きな被害を受けた立野地区の真下を流れる白川付近を中心に創作活動が行われています。 

 

【今後の課題】

 

〇梅雨シーズン

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 これから本格的に雨が降り始める被災地で河川の氾濫、土砂崩れなど震災の影響で弱くなった個所の付近で二次被害が出ないかなど防災の面が問題です。

 また梅雨が来る事でただ今 テント生活など在宅避難を行っている方々の環境が変わり、これ以上に厳しい状況の変わっていく問題があります。 

 

〇農業の再建

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 厳しい避難生活の中、今後の生活再建の事を考えると休むことが出来ない農家の方々。 秋の収穫の事も考え、作付けを行い逞しい農家の姿を見ながらも、農業用水として使用している水が枯れてしまった地域、地震の影響で水路が崩れたり、田畑ののり面が崩れ復旧には大きな時間と費用が掛かる農地もあります。また地震の影響で納屋が崩れてしまったり、農機具が壊れてしまった農家も少なくなりのが現状です。

 

〇在宅避難者

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震災から2ヶ月が経っている今ですが、現地では避難所生活を送るのではなく、ご自宅の敷地を利用しちょっとした工夫とちょっとした我慢をして生活を行っています。しかし そこにはお風呂がなかったり、暑さへの課題が在ったりと快適にはほど遠い環境での生活が広がっています。

 

〇観光業の復活

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 九州一を誇る観光地の阿蘇を始め阿蘇山の恩恵を受けていた阿蘇市、南阿蘇村。またその観光の行き帰りで商売が成り立っていた西原村大津町など、国道を始めインフラが整っていない状況の中で、どの様にして観光客を呼び込み、収入を確保するのか大きな問題です。 

 

【結の活動】

今回の熊本地震で見えてきた課題を考え、外部の支援者として、災害支援の経験者として何が出来るか考えながら、少しづつではありますが、独自の支援活動を行い始めています。

 復興を考え少しでも支援活動が長く続く事が被災した地域住民の為になると考えている私。外部の支援者が中心になるのではなく、地元の熊本の方々が中心に活動出来る様にあまり表に出ない様に支援活動を進めていきたいと思います。

 

◇伝える活動

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 これまでの経験、日々走り回る現場の中から見えてきたモノ、聞こえてきたコトを少しでもわかりやすく伝えらる事がこれから長くなる熊本地震の支援活動を行う支援者にとって大事な事だと考え、「九州北部豪雨」など過去の支援活動での関係から学園大学、県立大学など大学生を前に熊本地震の課題などをお話しさせてもらいました。 

 

◇地域コミュニティ支援プロジェクト

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 遠回りかもしれませんが、地域コミュニティを支援する事が長い目で見た際に、大きな支援につながると考え、地域の中で生活を行っていこうと頑張ってる方々を応援するプロジェクトです。

 地域の方が地域の為に何かを行いたい、地域の中に残り生活再建したいなど、一人独り大切な地域への関わり方を考えているのを後押しし応援するプロジェクトです。