前原土武(トム吉)の災害支援活動ブログ パート2

日本各地で起こる自然災害の復旧・復興の姿を綴るブログ

大阪北部地震を振り返り

昨年の災害支援を振り返るには、まず6月の起きた大阪北部地震から振り返らないといけないと思うので、1つ目の振り返りはレスキューアシストの武ちゃんを中心に現在も活動を行っている。茨木ベースのお話を含めた大阪北部地震の支援活動のお話をしたいと思います。

大阪北部地震を振り返り

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茨木市内の様子

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茨木ベースの朝礼の様子

 

 6月12~13日東京で行われたJOVAR主催の全国フォーラムに出席した後、ゆっくりと南下していた、6月18日に起きた大阪北部地震。資機材の関係もあり、一度朝倉市に戻り、梯子やヘルメットなどの資機材を整えたのち、翌19日に震源地でもある大阪府高槻市に入り、状況の把握を開始しました。

 大阪出身のレスキューアシストの武ちゃんやDRT-JAPANの黒さんと合流し、情報共有を行いつつ、震源地に近く受援力の高かった茨木市社協を中心に支援活動を行う事になった。その後、被災地で共に活動することが多いOPEN JAPANも合流し、連携し茨木ベースを運営していく事になります。

「受援力」とは、助けを求めたり助けを受けたりする心構えやスキルのこと。支援を受けいれる力。

被害の比較

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高所作業の為の安全講習会

ブルーシートのトリアージ

トリアージの提案

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茨木市市長と意見交流の様子

 

 大坂の地震震度6弱だったこともあり、熊本地震と違い倒壊する家屋が多いわけでもなく、メディアなどに取り上げられるインパクトが強い被害(分かりやすい被害)

があった訳でもない災害でした。外壁が一部壊れるたり、古い建物の屋根の瓦が一部ズレるなど被害規模では一部損壊が多い災害でした。

 発災直後からバイクで走しながら感じた事

  • 見た目では状況把握が難しかった(室内の被害)
  • 地域の助け合いが薄かった
  • 住宅が密集しており道が狭い、作業車の駐車が困難
  • 思った以上に高齢者や困窮者などが多い
  • 2階以上お宅が多い(狭い敷地に高さで生活空間を取る)

大坂という大都市のベットタウンっという事で上記の状況もあり、これまでの被災地とは違った環境があり支援活動を行うのが少し難しかった事もありました。

 また街中を走りながら気付いた事から推理し一つの仮設の課題が生まれた。

新しい建物には被害が少なく、古くなった建物に一部損壊の被害が多く見受けられたように思えた。という事は、あくまでも推測であるが、比較的新しいお宅に住んでいる経済的にまだゆとりがある方は被害を受けておらず、リフォームなど行わず古いお宅で生活している高齢者や困窮世帯の方に被害が出たケースが多いのではないかと考えました。またそういった方に限り、修復する費用を捻出する事が難しかったり、復旧の対応が難しいのはないかと考えました。

 多くの一部損壊の家屋と危険を伴う作業が多く技術を持った支援の活動が必要な為、関われるメンバーの数の割合を考えた時にどうしてもトリアージが必要だと考え、簡単な資料を作り、行政、社協、支援団体など関係機関と共有し活動を進めてきました。

 

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茨木ベースの朝礼風景 

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茨木ベースの夕食の風景

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経験豊富な支援者たち

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安全を拝領し命綱を着けての作業

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茨木ベースの中心的存在レスキューアシストの武ちゃん

 大阪出身で関西に居た武ちゃんは、発災直後から被災地に入り連携を組み活動を行っていた。熊本地震で約2年間熊本市に拠点を設け、大阪での活動と同様ブルーシート張りやブロック撤去などのニーズに対応していた事もあり、今回早い段階でテクニカルボランティアの体制作りを行い、消防や瓦職人などのスキルもサポートしてもらい、安全面、作業等のスキルなどを向上しながら活動を行い続けています。

 彼と出会ったのは、2011年9月に起きた「紀伊半島大水害」 大阪から毎日の様に車を走らせては、ボランティアを同乗させて那智勝浦町まで来ていました。 それから数年、各地で時折共に活動をする機会が多くなり、「北関東・東北豪雨」で鬼怒川が決壊した茨城県常総市では、サテライトをカバーしコーディネートを行ったり、その後の熊本地震には常総市から南下する際に、運転してもらったりしました。

 そんな彼が今回地元大阪での災害という事もあり、災害NGO結として発災直後から彼を中心に拠点作り、ネットワーク作りを意識して大阪に関わっていきました。

 今 こうして振り返ると地元に彼の様な被災地での支援活動があり、生活の基盤を活動で賄えている方がいるというのは、地域(県域)にとって大きな財産だと思う。

 逆に言うならば、1都道府県に最低一人は現場で動ける災害支援で生業にしている方が必要なのかもしれない。

NPOレスキューアシスト・・・代表中島武志(武ちゃん)は、いち早く現場に入り状況把握から情報収集、関係機関との連携を行いつつ、障害者や高齢者といった要援護者への支援から災害支援コーディネーター、炊き出し、現場作業と多岐に渡り被災したニーズに対応する団体。 また関西を中心に仲間も多く、連携団体も多くおり、頼もしい支援仲間の一人。

 
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