平成30年7月豪雨の支援活動を振り返り
前回の大阪北部地震編の次は、西日本を中心に広範囲に渡り大きな被害をもたらした、「平成30年7月豪雨」の支援活動の事を書きたいと思います。
西日本豪雨の際には岡山~広島~愛媛と三県を移動しながら、メンバーの協力もあり一時は三ヵ所に拠点を設け活動を行った事もありました。それにより、移動が多くなったり、支援の深みを出すことが出来なかった事も問題の一つだと思います。
平成30年7月豪雨の支援活動を振り返り
倉敷市内の避難所の様子
バイクを使い状況把握の為、現地を周る
大阪北部地震の支援活動を行っていましたが、平成30年7月豪雨で西日本を中心に広範囲にわたり大きな被害が出た為、その後の天気をチェックし安全を確認しながら7月7日に岡山県真備町へ向かった。
翌日8日には現地に到着しバイクで被害の様子や避難所の様子など把握に努め、以前から面識のあった、岡山県社協の方や倉敷市社協の方とお会いし情報の共有を行た。翌日も真備町を中心に状況の把握を行いつつ、一時間ほど離れた高梁市に足を運び被害の様子に確認しつつ、これまでの被災地で共に活動を行った仲間から連絡があり、合流し活動のきっかけ作りを行った。
また翌日9日は、岡山県内の支援者たちが集まる情報共有会議が岡山市内で行われるとの事もあり、顔を出し支援団体の情報を確認させてもらった。
平成30年7月豪雨・・・前線や台風第7号の影響により、日本付近に暖かく非常に湿った空気が供給され続け、西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨が降り続き、6月28日から7月8日まで西日本を中心に広範囲にわたり大きな被害が出た。
宇和島市吉田町玉津地区に支援で入った熊本で中心に活動しているBULBY
西予市野村に入ったOPEN JAPANの拠点
二日ほど真備町に滞在した事でなんとなくではあるが状況(被害規模は大きく復興までには長い時間と沢山の支援が必要な状況であり、岡山県内には意識している支援団体が沢山存在している事)が感じ取れたので、発災当初から一番気になっていた四国の愛媛県に渡り、高知県宿毛市まで移動し愛南町~宇和島市~西予市~大洲市と移動しながら状況の把握と愛媛県社協で行われた情報共有会議にお邪魔しお話をさせてもらいました。
愛媛県内で被害を受けた地域の中(大洲市・西予市・宇和島市)で県庁所在地の松山市から一番離れており、支援者が集まりにくい事や水の復旧の目途が経たない事、宇和島市吉田町では大小沢山(2000ヵ所以上)の山が崩れた事、産業(みかん農家)被害が多い事を見えた事から災害NGO結として宇和島市に支援に入る事を決めました。
また、これまで各地で連携し共に活動を行ってきたOPEN JAPANが、被害の大きかった西予市野村に拠点を構えた事もあり、重機案件や特殊ニーズの案件などは西予市の状況に合わせて対応してもらうなど連携して活動に当たりました。
OPEN JAPANとは、宮城県石巻市に拠点を置き、活動を続ける団体、個人の集まり。重機、技術系といったテクニカルボランティアを始め災害ボランティアセンターの運営のサポート、コーディネートなど幅広く活動行うネットワーク。信頼出来る頼もしい支援団体。
倉敷市災害ボランティアセンターでの運営メンバーでのミーテング
暑い中冷たいモノの支援
旅商人×Team桃太郎×Seeds of hope×災害NGO結
愛媛県での状況把握を終えた後三連休が近づいていた事もあり、一度倉敷市に戻り週末に沢山の支援者が駆け付けるであろう倉敷市災害ボランティアセンターの運営サポートを行いました。また昨年(平成29年九州北部豪雨)で共に活動を行ったDRT-JAPANも重機を持ち込み活動を行っていたので、合流し情報共有を行い、本格的な支援を行う為に大阪で活動を続けていた仲間に移動してもらい、拠点の体制を整えました。
また、過去の災害地で共に活動を行った支援団体とも合流し、活動エリアを絞り連携し活動出来るようにネットワーク構築を行いました。
DRT-JAPANとは、組織化された団体ではなく、災害発生と同時に同じ志をもった有志によって連絡を取り合い、状況によっては現地に拠点を確保し、災害ボランティアセンターや他の団体等と協調し連携し合いながら行動することを旨とする、技術系プロボノ等による緩やかなネットワーク。
発災から数日たった広島市安芸区矢野地区の様子
2011年から共に活動を行っている仲間たち
坂町ベースは宿泊可能のテント村を設置
倉敷市の体制が少しづつ出来ていく中、広範囲で被害を受けた広島県内の様子が見えずらくなかなか情報が入ってこなかった事もあり、7月19日より2016年広島土砂災害で関係がある広島社協を訪れ、その後、広島市安芸区~坂町~呉市~東広島市~三原市~尾道市と移動しながら状況の把握を行いました。
土砂の量が多く重機などの技術系の支援が必要不可欠と考え、また被害の多きかった安芸区~坂町~呉市を中心に活動範囲が広げられるられるのではないかと考え、坂町のB&G海洋センターをお借りして道などインフラも良くなかった為、活動に参加した方が宿泊出来る様にテント村を設置して拠点を整えました。
7月後半からは、倉敷市に居るメンバーを移動してもらい、坂町を中心に重機ボランティアの調整を開始しました。
コミサポひろしまとは、広島土砂災害でのコミュニティ復興支援を気に立ち上げり、北関東豪雨災害で被害を受けた常総市、鳥取県中部地震で被災した倉吉市等で活動、熊本地震で被害を受けた益城町で活動。一般ボランティアでは対応が難しいブルーシート案件や重機案件など技術を要する作業系の対応も行う団体。
平成30年7月豪雨での活動内容(7月~10月)
バイクを使い現地では状況の把握
フェーズにより支援の変化をイメージしてもらう為に作成した資料(7月に制作)
作業系団体の情報共有会議(倉敷市)
災害NGO結として、今回の「平成30年7月豪雨」では、発災直後から時間が経過する中で、有給スタッフの協力を頂き、多い時は拠点を三ヵ所に設け連携している支援団体と共有し移動しながら広く範囲で活動を行いました。
行った内容としては、被害状況の把握から始まり、情報共有、物資輸送、支援団体の紹介、災害ボランティアセンターの立ち上げサポート、運営のサポート、重機ボランティアの調整、ワークショップ、支援団体へのアドバイスと直接支援や中間支援的な動きも行いました。
勿論ですが、広い範囲で活動を行った事で、状況や情報に触れる事が出来た事でどこへ支援に入った方がいいのか?どこか支援の穴になりそうかとあくまでも自分自身の目線で感じる事が出来たなど良かった点もありましたが、逆に広範囲で活動を行った事で出来なかった事や苦労した事などもあります。
広範囲で活動を行った事で出来た事
- 支援者が沢山来た三連休の災害VCへのアドバイス&現場回し(倉敷市)
- 一般ボランティアでは対応出来ない重機案件の調整(倉敷市&広島市&坂町)
- 現場で活動している団体同士が情報共有する為の会議(倉敷市&宇和島市)
- 立ち上がった地元団体へのアドバイス&サポート(倉敷市&坂町&宇和島市)
- 県域で行う会議内でのフェーズなどのアドバイス(愛媛県)
-
支援のムラや穴を感じる事が出来た(全体的)
広範囲で活動を行った事で出来なかった事
- 移行期に必要な地元の支援者へ引継ぎが困難(宇和島市)
- ざっくりと支援支援になってしまい、深い事が出来なかった(全般)
- 事故や問題が起きた。また対応にも手間がかかった。(坂町&倉敷市)
- 他団体と連携が以前よりも薄くなった。顔を合わす時間が少なく情報共有する時間が少なくなった(全般)
- メンバー内での感覚や共有が難しかった(全般)
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