前原土武(トム吉)の災害支援活動ブログ パート2

日本各地で起こる自然災害の復旧・復興の姿を綴るブログ

北海道胆振東部地震の支援活動を振り返り

 2018年の振り返りで最後に触れるのは、9月には発生した北海道胆振東部地震の支援の振り返り。20代後半に北海道で生活を行っていた事もあり、深くは関われないけれど状況の把握や物資の支援など出来る事はないかと考え、この数年西日本での活動が中心になっていましたが、四国から約1700㎞ほど仙台市まで移動しフェリーで北海道入りをし約10日ほど支援活動に入りました。

北海道胆振東部地震の支援活動を振り返り

北海道新聞

北海道新聞の見出し

厚真町の被害

いくつもの大地に亀裂が入っている(厚真町

むかわ町の被害

倒壊した建物(むかわ町

安平町の被害の様子

レンガの建物などは被害が出来た(安平町) やんじーによる炊き出し

熊本地震でも活動していたチームやんじーの炊き出し

バイクを使い状況把握

バイクを使い3町の状況をざっくり周る

 

 冒頭にも触れたように2015年の北関東・東北豪雨で被害を受けた常総市での活動以来、久し振りの活動になりました。

 四国~関東まで自力でハイエースを運転し、東京で仲間と合流し運転してもらい一日で約1700㎞移動するというハードなアクセスになりました。

 6日に地震が発生し物資の準備や移動などもあり8日に北海道入りを行いました。

苫小牧港から約1時間もかからないむかわ町厚真町、安平町に被害が集中している事もあり、むかわ町へ移動を開始し被害状況の把握に努める事にしました。

 まずは水や食料の確保が難しいのではと考えて、本州から積んできた物資をむかわ町で炊き出し支援を行っているチームやんじーにお渡しさせてもらい、むかわ町厚真町、安平町の被害状況の把握をバイクを使い開始しました。

北海道胆振東部地震・・・2018年9月6日3時7分 に、北海道胆振地方中東部を震源として発生した地震地震の規模はM 6.7、震源の深さは37 km。最大震度は、震度階級で最も高い震度7、北海道では初めて観測された  

 

 

いくつもの山が崩れた

土砂崩れに遭われた地域では捜索活動が続く

被害の大きな地域もいつか

被害の大きかった地域では建物が全壊

倒壊した無数のお墓

いくつもの墓石が倒壊

 

 むかわ町、安平町も被害はありましたが、山間部の崩落などの被害などメディアに取り上げられた厚真町は家屋被害も多く、また水などインフラの回復が遅れる見込みとの情報もあり、厚真町を中心に支援活動を行う事を決め、本格的な被害状況の把握を行いました。

現地調査

OPEN JAPANJAOAD支援Pのメンバーと合流し情報共有

 

また過去の災害地で共に支援活動を行った団体や関係機関とも合流し情報共有を行ったり、災害ボランティアセンターの運営サポートを行ったりした。

災害NGO結として北海道胆振東部地震の支援で行った事】

  • 被災地の状況把握(情報収集)
  • 支援団体並びに関係機関と情報共有
  • 物資支援
  • 厚真町災害ボランティアセンターの運営サポート(ポスティング・マッピング
  • テクニカルボランティアへの情報提供
JVOADとは、被災者支援の「漏れ・抜け・落ち・ムラ」を防ぎ、地域ニーズに合った支援活動を促進する全国災害ボランティア支援団体ネットワーク

発達障害者への支援

支援学級を使っての預かり支援(厚真町

厚真町でMTG

支援団体と情報共有(厚真町

 

 緊急期の状況の中で情報共有を行った事が、課題解決に結び付いた事もありました。

インフラが整っていない中、余震が続いており、障害を抱えたお子さんを抱えたご家族の負担が大きくなっているという課題が見つかり、札幌市に拠点がある「ホップ障害者地域生活支援センター」の協力で、小学校の教室をお借りし発達障害のお子さん達を約4時間ほどお預かりし、片付けなどを行う時間、少しだけゆっくりする時間を作れる様にと預かり保育的な支援が出来た事があります。今回、情報共有を行う事で見えてきた課題は、どこの被災地でも同様だと思います。学校が再開するまで、避難生活が続く被災地のお子さん達がいるご家族にとっては、大きな課題なのではないでしょうか?

 また、災害で一時行政サービスの機能が止まった事で、生まれた課題を一時的に近隣の支援で対応する事の大切さ。自助の補助を共助でサポートする事は、情報共有をすることで繋げる可能性が広がると思います。

 

厚真町のポスティング・マッピング

全戸訪問にポスティング・地図へのマッチング(厚真町災害ボランティアセンター)

家屋内の被害

家屋内の被害の様子(厚真町

 

大坂北部地震と同様に熊本地震と比べて、被災地を走っていても、建物被害の様子が見受けられない家屋が多かった。雪が降る北海道だからか、建物構造上、瓦も塀見当たらなく地震には強い作りなのかもしれない。しかし、表向きは被害が無くても建物の中で家具や荷物が散乱しており、片付けには人手が必要なのではないだろうか?

また、震源地の厚真町では、水道などのインフラが不通になっているけれど、避難所に避難している方の数と全世帯の数を見比べた時に開きがあり、在宅避難している方が多いのではないだろうかと予測された。

 その様な在宅避難を行っている方に限り、災害ボランティアセンターのお知らせが届いていないケースも考えられる為、厚真町災害ボランティアセンターでは、全戸訪問を行う事になりました。自宅に訪れて災害ボランティアセンターのチラシを配布しつつ、ニーズや現在の状況などを簡単把握するポスティング作業。その後の活動を行った新着状況を地図の上に落とし今後の支援につなげれる様に、支援の穴にならないようと可視化する為にマッピング作業も同時に行いました。

被災した牛小屋

被災した牛小屋(厚真町

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農機具などの被害も多々

 

また、全戸訪問のポスティングと並行しバイクを使い、現地を周りながら特殊案件(テクニカルボランティア)で対応出来る案件などを割り出し、その後本格的にテクニカルボランティアの動きが活発的になった時用のニーズ調査を行いました。

 現地に滞在し走り周り見えてきた事の一つに農家などの被害があり、関節的に産業被害が広がっていく流れが見えました。

 9月に起きた地震ですが、時間が経てもいやでも雪が降り始める北海道。倉庫や小屋が被災した農家にとって家畜や農機具をどのようにして保管するのか、大きな問題だと思います。

災害と把握

災害と把握

災害支援コーディネート

災害支援コーディネーターとは

 

あくまでも自説ですが、災害とは?状況把握とは?コーディネートとは?簡単にまとめてみました。

 北海道~九州と弓形に長く、四季折々の自然豊かな国日本。場所が変われば地域の環境も変わる。そこに自然の力が加わり被害をもたらした時、それを自然災害と呼んでいる。

 災害NGO結では、これまでの災害地の経験から、その災害に対して、被害の件数、状況など把握すると同時に支援につながる地域の力、資源などを把握する事も重要だと考えています。

 ネイチャーガイドのチームがいたり、農家が多いのも北海道ならではの環境なのだと思います。その環境が被害になったり、支援の力になったりと、災害を通して変化していく中で、現場から得た情報を使い、どのように結び付けていくのか、災害支援のコーディネートの重要性があるのだと思います。

 今後の支援活動の為にも、様々な経験値を積み、色々なイマジネーションを持って被災地を走り周りたいと思います。沢山の支援者に結び付ける事が、その後の被災者、被災地の復旧や復興に結び付くと信じているから。

 

tom