前原土武(トム吉)の災害支援活動ブログ パート2

日本各地で起こる自然災害の復旧・復興の姿を綴るブログ

北海道胆振東部地震の支援活動を振り返り

 2018年の振り返りで最後に触れるのは、9月には発生した北海道胆振東部地震の支援の振り返り。20代後半に北海道で生活を行っていた事もあり、深くは関われないけれど状況の把握や物資の支援など出来る事はないかと考え、この数年西日本での活動が中心になっていましたが、四国から約1700㎞ほど仙台市まで移動しフェリーで北海道入りをし約10日ほど支援活動に入りました。

北海道胆振東部地震の支援活動を振り返り

北海道新聞

北海道新聞の見出し

厚真町の被害

いくつもの大地に亀裂が入っている(厚真町

むかわ町の被害

倒壊した建物(むかわ町

安平町の被害の様子

レンガの建物などは被害が出来た(安平町) やんじーによる炊き出し

熊本地震でも活動していたチームやんじーの炊き出し

バイクを使い状況把握

バイクを使い3町の状況をざっくり周る

 

 冒頭にも触れたように2015年の北関東・東北豪雨で被害を受けた常総市での活動以来、久し振りの活動になりました。

 四国~関東まで自力でハイエースを運転し、東京で仲間と合流し運転してもらい一日で約1700㎞移動するというハードなアクセスになりました。

 6日に地震が発生し物資の準備や移動などもあり8日に北海道入りを行いました。

苫小牧港から約1時間もかからないむかわ町厚真町、安平町に被害が集中している事もあり、むかわ町へ移動を開始し被害状況の把握に努める事にしました。

 まずは水や食料の確保が難しいのではと考えて、本州から積んできた物資をむかわ町で炊き出し支援を行っているチームやんじーにお渡しさせてもらい、むかわ町厚真町、安平町の被害状況の把握をバイクを使い開始しました。

北海道胆振東部地震・・・2018年9月6日3時7分 に、北海道胆振地方中東部を震源として発生した地震地震の規模はM 6.7、震源の深さは37 km。最大震度は、震度階級で最も高い震度7、北海道では初めて観測された  

 

 

いくつもの山が崩れた

土砂崩れに遭われた地域では捜索活動が続く

被害の大きな地域もいつか

被害の大きかった地域では建物が全壊

倒壊した無数のお墓

いくつもの墓石が倒壊

 

 むかわ町、安平町も被害はありましたが、山間部の崩落などの被害などメディアに取り上げられた厚真町は家屋被害も多く、また水などインフラの回復が遅れる見込みとの情報もあり、厚真町を中心に支援活動を行う事を決め、本格的な被害状況の把握を行いました。

現地調査

OPEN JAPANJAOAD支援Pのメンバーと合流し情報共有

 

また過去の災害地で共に支援活動を行った団体や関係機関とも合流し情報共有を行ったり、災害ボランティアセンターの運営サポートを行ったりした。

災害NGO結として北海道胆振東部地震の支援で行った事】

  • 被災地の状況把握(情報収集)
  • 支援団体並びに関係機関と情報共有
  • 物資支援
  • 厚真町災害ボランティアセンターの運営サポート(ポスティング・マッピング
  • テクニカルボランティアへの情報提供
JVOADとは、被災者支援の「漏れ・抜け・落ち・ムラ」を防ぎ、地域ニーズに合った支援活動を促進する全国災害ボランティア支援団体ネットワーク

発達障害者への支援

支援学級を使っての預かり支援(厚真町

厚真町でMTG

支援団体と情報共有(厚真町

 

 緊急期の状況の中で情報共有を行った事が、課題解決に結び付いた事もありました。

インフラが整っていない中、余震が続いており、障害を抱えたお子さんを抱えたご家族の負担が大きくなっているという課題が見つかり、札幌市に拠点がある「ホップ障害者地域生活支援センター」の協力で、小学校の教室をお借りし発達障害のお子さん達を約4時間ほどお預かりし、片付けなどを行う時間、少しだけゆっくりする時間を作れる様にと預かり保育的な支援が出来た事があります。今回、情報共有を行う事で見えてきた課題は、どこの被災地でも同様だと思います。学校が再開するまで、避難生活が続く被災地のお子さん達がいるご家族にとっては、大きな課題なのではないでしょうか?

 また、災害で一時行政サービスの機能が止まった事で、生まれた課題を一時的に近隣の支援で対応する事の大切さ。自助の補助を共助でサポートする事は、情報共有をすることで繋げる可能性が広がると思います。

 

厚真町のポスティング・マッピング

全戸訪問にポスティング・地図へのマッチング(厚真町災害ボランティアセンター)

家屋内の被害

家屋内の被害の様子(厚真町

 

大坂北部地震と同様に熊本地震と比べて、被災地を走っていても、建物被害の様子が見受けられない家屋が多かった。雪が降る北海道だからか、建物構造上、瓦も塀見当たらなく地震には強い作りなのかもしれない。しかし、表向きは被害が無くても建物の中で家具や荷物が散乱しており、片付けには人手が必要なのではないだろうか?

また、震源地の厚真町では、水道などのインフラが不通になっているけれど、避難所に避難している方の数と全世帯の数を見比べた時に開きがあり、在宅避難している方が多いのではないだろうかと予測された。

 その様な在宅避難を行っている方に限り、災害ボランティアセンターのお知らせが届いていないケースも考えられる為、厚真町災害ボランティアセンターでは、全戸訪問を行う事になりました。自宅に訪れて災害ボランティアセンターのチラシを配布しつつ、ニーズや現在の状況などを簡単把握するポスティング作業。その後の活動を行った新着状況を地図の上に落とし今後の支援につなげれる様に、支援の穴にならないようと可視化する為にマッピング作業も同時に行いました。

被災した牛小屋

被災した牛小屋(厚真町

20180913143237

農機具などの被害も多々

 

また、全戸訪問のポスティングと並行しバイクを使い、現地を周りながら特殊案件(テクニカルボランティア)で対応出来る案件などを割り出し、その後本格的にテクニカルボランティアの動きが活発的になった時用のニーズ調査を行いました。

 現地に滞在し走り周り見えてきた事の一つに農家などの被害があり、関節的に産業被害が広がっていく流れが見えました。

 9月に起きた地震ですが、時間が経てもいやでも雪が降り始める北海道。倉庫や小屋が被災した農家にとって家畜や農機具をどのようにして保管するのか、大きな問題だと思います。

災害と把握

災害と把握

災害支援コーディネート

災害支援コーディネーターとは

 

あくまでも自説ですが、災害とは?状況把握とは?コーディネートとは?簡単にまとめてみました。

 北海道~九州と弓形に長く、四季折々の自然豊かな国日本。場所が変われば地域の環境も変わる。そこに自然の力が加わり被害をもたらした時、それを自然災害と呼んでいる。

 災害NGO結では、これまでの災害地の経験から、その災害に対して、被害の件数、状況など把握すると同時に支援につながる地域の力、資源などを把握する事も重要だと考えています。

 ネイチャーガイドのチームがいたり、農家が多いのも北海道ならではの環境なのだと思います。その環境が被害になったり、支援の力になったりと、災害を通して変化していく中で、現場から得た情報を使い、どのように結び付けていくのか、災害支援のコーディネートの重要性があるのだと思います。

 今後の支援活動の為にも、様々な経験値を積み、色々なイマジネーションを持って被災地を走り周りたいと思います。沢山の支援者に結び付ける事が、その後の被災者、被災地の復旧や復興に結び付くと信じているから。

 

tom

 

平成30年7月豪雨の支援活動を振り返り

前回の大阪北部地震編の次は、西日本を中心に広範囲に渡り大きな被害をもたらした、「平成30年7月豪雨」の支援活動の事を書きたいと思います。

西日本豪雨の際には岡山~広島~愛媛と三県を移動しながら、メンバーの協力もあり一時は三ヵ所に拠点を設け活動を行った事もありました。それにより、移動が多くなったり、支援の深みを出すことが出来なかった事も問題の一つだと思います。

平成30年7月豪雨の支援活動を振り返り

20180708093421

発災直後の岡山県倉敷市真備町の様子 20180708212607

倉敷市内の避難所の様子

バイクで調査① 

バイクを使い状況把握の為、現地を周る

 

大阪北部地震の支援活動を行っていましたが、平成30年7月豪雨で西日本を中心に広範囲にわたり大きな被害が出た為、その後の天気をチェックし安全を確認しながら7月7日に岡山県真備町へ向かった。

 翌日8日には現地に到着しバイクで被害の様子や避難所の様子など把握に努め、以前から面識のあった、岡山県社協の方や倉敷市社協の方とお会いし情報の共有を行た。翌日も真備町を中心に状況の把握を行いつつ、一時間ほど離れた高梁市に足を運び被害の様子に確認しつつ、これまでの被災地で共に活動を行った仲間から連絡があり、合流し活動のきっかけ作りを行った。

 また翌日9日は、岡山県内の支援者たちが集まる情報共有会議が岡山市内で行われるとの事もあり、顔を出し支援団体の情報を確認させてもらった。  

平成30年7月豪雨・・・前線や台風第7号の影響により、日本付近に暖かく非常に湿った空気が供給され続け、西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨が降り続き、6月28日から7月8日まで西日本を中心に広範囲にわたり大きな被害が出た。

平成30年7月豪雨の支援活動の様子→災害NGO結のFacebook

20180728115204

発災から一週間ほどたった愛媛県宇和島市吉田町の様子 20180805085848

宇和島市吉田町玉津地区に支援で入った熊本で中心に活動しているBULBY

20180807182314

西予市野村に入ったOPEN JAPANの拠点

 

 二日ほど真備町に滞在した事でなんとなくではあるが状況(被害規模は大きく復興までには長い時間と沢山の支援が必要な状況であり、岡山県内には意識している支援団体が沢山存在している事)が感じ取れたので、発災当初から一番気になっていた四国の愛媛県に渡り、高知県宿毛市まで移動し愛南町~宇和島市~西予市~大洲市と移動しながら状況の把握と愛媛県社協で行われた情報共有会議にお邪魔しお話をさせてもらいました。

 愛媛県内で被害を受けた地域の中(大洲市西予市宇和島市)で県庁所在地の松山市から一番離れており、支援者が集まりにくい事や水の復旧の目途が経たない事、宇和島市吉田町では大小沢山(2000ヵ所以上)の山が崩れた事、産業(みかん農家)被害が多い事を見えた事から災害NGO結として宇和島市に支援に入る事を決めました。

 また、これまで各地で連携し共に活動を行ってきたOPEN JAPANが、被害の大きかった西予市野村に拠点を構えた事もあり、重機案件や特殊ニーズの案件などは西予市の状況に合わせて対応してもらうなど連携して活動に当たりました。

OPEN JAPANとは、宮城県石巻市に拠点を置き、活動を続ける団体、個人の集まり。重機、技術系といったテクニカルボランティアを始め災害ボランティアセンターの運営のサポート、コーディネートなど幅広く活動行うネットワーク。信頼出来る頼もしい支援団体。

倉敷市災害ボランティアセンターのミーテング

倉敷市災害ボランティアセンターでの運営メンバーでのミーテング

20180715152930

倉敷市に初動期に入ってくれてプロボノメンバー

暑い中冷たい飲み物支援

暑い中冷たいモノの支援

真備再生ベース竹燈のMTG

旅商人×Team桃太郎×Seeds of hope×災害NGO

 

 愛媛県での状況把握を終えた後三連休が近づいていた事もあり、一度倉敷市に戻り週末に沢山の支援者が駆け付けるであろう倉敷市災害ボランティアセンターの運営サポートを行いました。また昨年(平成29年九州北部豪雨)で共に活動を行ったDRT-JAPANも重機を持ち込み活動を行っていたので、合流し情報共有を行い、本格的な支援を行う為に大阪で活動を続けていた仲間に移動してもらい、拠点の体制を整えました。

 また、過去の災害地で共に活動を行った支援団体とも合流し、活動エリアを絞り連携し活動出来るようにネットワーク構築を行いました。 

DRT-JAPANとは、組織化された団体ではなく、災害発生と同時に同じ志をもった有志によって連絡を取り合い、状況によっては現地に拠点を確保し、災害ボランティアセンターや他の団体等と協調し連携し合いながら行動することを旨とする、技術系プロボノ等による緩やかなネットワーク。

20180726105635

発災から数日たった広島市安芸区矢野地区の様子

20180821100913

呉市で活動を行うコミサポひろしま

岐阜のトオル君

2011年から共に活動を行っている仲間たち

スノーピークのテント村

坂町ベースは宿泊可能のテント村を設置

 

 倉敷市の体制が少しづつ出来ていく中、広範囲で被害を受けた広島県内の様子が見えずらくなかなか情報が入ってこなかった事もあり、7月19日より2016年広島土砂災害で関係がある広島社協を訪れ、その後、広島市安芸区~坂町~呉市東広島市三原市尾道市と移動しながら状況の把握を行いました。

 土砂の量が多く重機などの技術系の支援が必要不可欠と考え、また被害の多きかった安芸区~坂町~呉市を中心に活動範囲が広げられるられるのではないかと考え、坂町のB&G海洋センターをお借りして道などインフラも良くなかった為、活動に参加した方が宿泊出来る様にテント村を設置して拠点を整えました。

 7月後半からは、倉敷市に居るメンバーを移動してもらい、坂町を中心に重機ボランティアの調整を開始しました。

コミサポひろしまとは、広島土砂災害でのコミュニティ復興支援を気に立ち上げり、北関東豪雨災害で被害を受けた常総市鳥取県中部地震で被災した倉吉市等で活動、熊本地震で被害を受けた益城町で活動。一般ボランティアでは対応が難しいブルーシート案件や重機案件など技術を要する作業系の対応も行う団体。

西日本豪雨の結の活動

平成30年7月豪雨での活動内容(7月~10月)

20180711080402

バイクを使い現地では状況の把握

フェーズの流れ

フェーズにより支援の変化をイメージしてもらう為に作成した資料(7月に制作)

作業系団体の情報共有会議

 作業系団体の情報共有会議(倉敷市

 

 災害NGO結として、今回の「平成30年7月豪雨」では、発災直後から時間が経過する中で、有給スタッフの協力を頂き、多い時は拠点を三ヵ所に設け連携している支援団体と共有し移動しながら広く範囲で活動を行いました。

行った内容としては、被害状況の把握から始まり、情報共有、物資輸送、支援団体の紹介、災害ボランティアセンターの立ち上げサポート、運営のサポート、重機ボランティアの調整、ワークショップ、支援団体へのアドバイスと直接支援や中間支援的な動きも行いました。

 勿論ですが、広い範囲で活動を行った事で、状況や情報に触れる事が出来た事でどこへ支援に入った方がいいのか?どこか支援の穴になりそうかとあくまでも自分自身の目線で感じる事が出来たなど良かった点もありましたが、逆に広範囲で活動を行った事で出来なかった事や苦労した事などもあります。

 広範囲で活動を行った事で出来た事
  • 支援者が沢山来た三連休の災害VCへのアドバイス&現場回し(倉敷市
  • 一般ボランティアでは対応出来ない重機案件の調整(倉敷市広島市&坂町)
  • 現場で活動している団体同士が情報共有する為の会議(倉敷市宇和島市
  • 立ち上がった地元団体へのアドバイス&サポート(倉敷市&坂町&宇和島市
  • 県域で行う会議内でのフェーズなどのアドバイス愛媛県
  • 支援のムラや穴を感じる事が出来た(全体的)

広範囲で活動を行った事で出来なかった事
  • 移行期に必要な地元の支援者へ引継ぎが困難(宇和島市
  • ざっくりと支援支援になってしまい、深い事が出来なかった(全般)
  • 事故や問題が起きた。また対応にも手間がかかった。(坂町&倉敷市
  • 他団体と連携が以前よりも薄くなった。顔を合わす時間が少なく情報共有する時間が少なくなった(全般)
  • メンバー内での感覚や共有が難しかった(全般)
 
これまでもこれからも満足した支援活動などあるとは思っていませんが、今回行った事で、何に繋がりどういった事が出来たか、今後は何を注意し何を準備していた方がいいのか? 活動を通して経験したものをしっかり検証し今後に生かしていきたいと思っています。過去の被災地から未来の被災地へ伝えていく事が、こうして継続的に災害支援に関わっているモノとしての役割でもあると思っています。
 

【災害NGO結からのお知らせ】
◯現場活動を支える支援金の募集もしています
 →http://ngoyui.com/archives/56
◯災害NGOTwitter
 →https://twitter.com/saigaingoyui?lang=ja
〇災害NGOInstagram
https://www.instagram.com/ngoyui/
〇災害NGO結の販売部門
Social Shop 半人前→https://www.facebook.com/socialshophanninmae/

 
tom

大阪北部地震を振り返り

昨年の災害支援を振り返るには、まず6月の起きた大阪北部地震から振り返らないといけないと思うので、1つ目の振り返りはレスキューアシストの武ちゃんを中心に現在も活動を行っている。茨木ベースのお話を含めた大阪北部地震の支援活動のお話をしたいと思います。

大阪北部地震を振り返り

20180626123234

茨木市内の様子

20180624081851

茨木ベースの朝礼の様子

 

 6月12~13日東京で行われたJOVAR主催の全国フォーラムに出席した後、ゆっくりと南下していた、6月18日に起きた大阪北部地震。資機材の関係もあり、一度朝倉市に戻り、梯子やヘルメットなどの資機材を整えたのち、翌19日に震源地でもある大阪府高槻市に入り、状況の把握を開始しました。

 大阪出身のレスキューアシストの武ちゃんやDRT-JAPANの黒さんと合流し、情報共有を行いつつ、震源地に近く受援力の高かった茨木市社協を中心に支援活動を行う事になった。その後、被災地で共に活動することが多いOPEN JAPANも合流し、連携し茨木ベースを運営していく事になります。

「受援力」とは、助けを求めたり助けを受けたりする心構えやスキルのこと。支援を受けいれる力。

被害の比較

20180704194618

高所作業の為の安全講習会

ブルーシートのトリアージ

トリアージの提案

20180705103240

茨木市市長と意見交流の様子

 

 大坂の地震震度6弱だったこともあり、熊本地震と違い倒壊する家屋が多いわけでもなく、メディアなどに取り上げられるインパクトが強い被害(分かりやすい被害)

があった訳でもない災害でした。外壁が一部壊れるたり、古い建物の屋根の瓦が一部ズレるなど被害規模では一部損壊が多い災害でした。

 発災直後からバイクで走しながら感じた事

  • 見た目では状況把握が難しかった(室内の被害)
  • 地域の助け合いが薄かった
  • 住宅が密集しており道が狭い、作業車の駐車が困難
  • 思った以上に高齢者や困窮者などが多い
  • 2階以上お宅が多い(狭い敷地に高さで生活空間を取る)

大坂という大都市のベットタウンっという事で上記の状況もあり、これまでの被災地とは違った環境があり支援活動を行うのが少し難しかった事もありました。

 また街中を走りながら気付いた事から推理し一つの仮設の課題が生まれた。

新しい建物には被害が少なく、古くなった建物に一部損壊の被害が多く見受けられたように思えた。という事は、あくまでも推測であるが、比較的新しいお宅に住んでいる経済的にまだゆとりがある方は被害を受けておらず、リフォームなど行わず古いお宅で生活している高齢者や困窮世帯の方に被害が出たケースが多いのではないかと考えました。またそういった方に限り、修復する費用を捻出する事が難しかったり、復旧の対応が難しいのはないかと考えました。

 多くの一部損壊の家屋と危険を伴う作業が多く技術を持った支援の活動が必要な為、関われるメンバーの数の割合を考えた時にどうしてもトリアージが必要だと考え、簡単な資料を作り、行政、社協、支援団体など関係機関と共有し活動を進めてきました。

 

20181219090300

茨木ベースの朝礼風景 

20181011193116

茨木ベースの夕食の風景

20181002112307

経験豊富な支援者たち

20181002114655

安全を拝領し命綱を着けての作業

20181219105327

茨木ベースの中心的存在レスキューアシストの武ちゃん

 大阪出身で関西に居た武ちゃんは、発災直後から被災地に入り連携を組み活動を行っていた。熊本地震で約2年間熊本市に拠点を設け、大阪での活動と同様ブルーシート張りやブロック撤去などのニーズに対応していた事もあり、今回早い段階でテクニカルボランティアの体制作りを行い、消防や瓦職人などのスキルもサポートしてもらい、安全面、作業等のスキルなどを向上しながら活動を行い続けています。

 彼と出会ったのは、2011年9月に起きた「紀伊半島大水害」 大阪から毎日の様に車を走らせては、ボランティアを同乗させて那智勝浦町まで来ていました。 それから数年、各地で時折共に活動をする機会が多くなり、「北関東・東北豪雨」で鬼怒川が決壊した茨城県常総市では、サテライトをカバーしコーディネートを行ったり、その後の熊本地震には常総市から南下する際に、運転してもらったりしました。

 そんな彼が今回地元大阪での災害という事もあり、災害NGO結として発災直後から彼を中心に拠点作り、ネットワーク作りを意識して大阪に関わっていきました。

 今 こうして振り返ると地元に彼の様な被災地での支援活動があり、生活の基盤を活動で賄えている方がいるというのは、地域(県域)にとって大きな財産だと思う。

 逆に言うならば、1都道府県に最低一人は現場で動ける災害支援で生業にしている方が必要なのかもしれない。

NPOレスキューアシスト・・・代表中島武志(武ちゃん)は、いち早く現場に入り状況把握から情報収集、関係機関との連携を行いつつ、障害者や高齢者といった要援護者への支援から災害支援コーディネーター、炊き出し、現場作業と多岐に渡り被災したニーズに対応する団体。 また関西を中心に仲間も多く、連携団体も多くおり、頼もしい支援仲間の一人。

 
 【災害NGO結からのお知らせ】
◯現場活動を支える支援金の募集もしています
 →http://ngoyui.com/archives/56
◯災害NGOTwitter
 →https://twitter.com/saigaingoyui?lang=ja
〇災害NGOInstagram
https://www.instagram.com/ngoyui/
〇災害NGO結の販売部門
Social Shop 半人前→https://www.facebook.com/socialshophanninmae/

2018年の下半期を振り返り①

 ご無沙汰しています。昨年も沢山の方のご協力をお借りしながら活動をする事が出来ました。改めて、ありがとうございます。

最近少しずつゆとりが出てきたので、初心に戻りブログを書こうと思います。昨年はこの八年間で一番忙しい一年になりました。自分の言葉でこの半年を振り返りつつ、整理し今後の方向性を考える為にもブログを書き始めようと思います。

2018年下半期を振り返り①

2018nenn

 昨年は全国各地で災害が大規模に発生し、今まで以上に北に南に移動する事が多い一年になりました。

 この8年間で出会った沢山の支援者と共にあっちこっちへ各自が出向き、お互いの出来る事を行いました。しかし、広範囲に被害が起きた為、なかなか集結し連携を取りながらも効率のいい支援が出来たとは言えないとは思います。また、熊本地震の支援活動の際にも感じたように、広範囲で災害が多発した際に、気付く支援の現状。圧倒的に支援者の数が足りないと再認識しました。

しかし、この現状の中でも災害に遭われた被災地の事を考えると活動を行っていかないとならないと考えています。少しでも被害の大きかった地域に入り、支援を通して被害を受けた方々に寄り添い、復興の一歩につながる支援が出来たのではないでしょうか?少しでも出来る事をと思い続けた2018年でした。

「bestよりもbetter」完璧に遅くやるより、不完全でも良いからスピード重視で進めていく。ベターな方法で始めてみて、試行錯誤で探しながら、徐々にベストに近づいていく。

20181114173159

 東日本大震災をきっかけに災害支援を行う様になった私。これまで各地の災害地に出向き支援活動を行ってきました。

 支援活動のノウハウもわからない中、東北に向かい野良犬の様に始まったこの活動も気が付けば八年も続けています。スコップを持ち泥かきから始まった活動も状況に合わせて、調整役、段取り役を行う様になり、プレーヤからコーディネーターと変化していきました。 また長期的に支援を続けるためにも、ボランティアから活動家へと変化していきました。

しかし活動を続ける中、熊本地震の支援活動で”個人での活動家としての限界”を感じました。広範囲で被害を受けた際に支援のムラが目立ち、少しでも支援を届けることを考えた時に、一人でも多くの仲間(チーム)が必要だと感じた。

 そこで翌年起きた九州北部豪雨からは事務局を置き、独自にボランティアを募集しながら重機や特殊案件の調整などを行う体制を整え、支援の幅を広げてみました。

 昨年(2018年)には、大阪北部地震ではこれまでの各地で活動を共にしてきた支援仲間と連携し拠点を設けたり、西日本を中心に広範囲に被害を受けた事もあり、一時は同時に三ヵ所で拠点を設けたり、有給スタッフを設けたりと新しい取り組みも行いました。 勿論そういった取り組みで出来た事や出来なった事なども生まれました。

 大阪北部地震北海道胆振東部地震と昨年関わった災害支援の中から見えてきた事、感じた事などを次回の数回に分けてブログで書き綴ってみたいと思います。

 

 tom

 

 

(7月2日~8日)

DSCN5905

【】 

DSCN5869

”「伝える活動」の為、一時朝倉市に戻る”

DSCN5890

 ”広島からリトルツイッタ-のメンバーが来てくれコーヒー支援を行う”

DSCN5927

茨木市長へ挨拶参り”

【今週の活動】

7月2日(月)大阪~朝倉に移動 

      JA朝倉市で「伝える活動」(朝倉市

      杷木ベースで情報共有(朝倉市) 

      朝倉市~大阪に移動開始

7月3日(火)茨木ベース到着 古曾部ベースの運営サポート(高槻市

      避難所などでコーヒ―支援の調整(高槻市) 

7月4日(水)古曾部ベースの運営サポート(高槻市

      マッサージ支援の調整(高槻市

      高所作業の為の安全講習会(茨木市

7月5日(木) 茨木市長へに挨拶訪問(茨木市

      高槻市茨木市など吉田さん(OJ)と巡回 

      OSN主催の情報共有会議に出席(茨木市

7月6日(金)高槻市社協で会議(高槻市) 

      茨木ベースで打ち合わせ(茨木市

      吹田ベースのオーナーに挨拶(吹田市

7月7日(土)

7月8日(日)

【今後の活動予定】

「時間の経過と共に変化する状況」(6月25日~7月1日)

DSCN5838

【時間の経過と共に変化する状況】

発災から1週間が経ち、少しづつ被害が見えてきた今回の「静かな災害」と同時に今回の災害の課題や今後の問題点なども浮き彫りになってきました。

 屋根の小さな被害が時間の経過と共に家屋のダメージを拡大し、困窮世帯や高齢者世帯の環境を蝕んでいく今回の災害。またインパクトが少なかった今回の災害だけに、今後は支援者の方を集める事も難しくなる事が予想される中、隠れたニーズが出てきた時に対応する課題も見えて来ると予想出来ます。

 また現在の所、屋根へのブルーシート張りなどは外部支援が中心に行っていますが、今後台風や劣化など再依頼などが出た時に、どのように対応するのかも大きな課題です。

 時間が経過していく中、少しづつ問題や課題が見えてきた事により、地元社居や行政の方にも問題意識が広がってきたようで、先週と違い関係機関とお話する際に温度差が近づいた事を感じます。

 茨木市高槻市摂津市など市町村の垣根を超え、支援活動を行っていきたいと思います。

 

DSCN5810

”週末になると沢山の方が参加してくれる「茨木ベース」”

DSCN5828

”雨漏りをしているお宅にブルーシート張り”

DSCN5781

茨木市で開催されたOSN主催の情報共有会議”

 【今週の活動】

6月25日(月)OSN主催の情報共有会議に出席

6月26日(火)茨木ベースの運営サポート

       摂津市に現場調査

6月27日(水)茨木ベースの運営サポート

       OSN主催の情報共有会議に出席

6月28日(木) 茨木ベースの運営サポート

      茨木市摂津市の現場周り

6月29日(金)茨木ベース~古曾部ベース(高槻市)で運営サポート

       避難所(茨木市)へ訪問

6月30日(土)茨木ベース~古曾部ベース(高槻)で運営サポート 

7月  1日(日)茨木ベース~古曾部ベース(高槻)で運営サポート

【今後の活動予定】

 7月2日朝倉市で講演

「大阪北部地震の初動対応」(6月18日~24日)

DSCN5603

【大阪北部地震の初動対応】

18日に起きた大阪北部地震。北九州に居た私は、一度福岡の朝倉市に戻り、荷物や情報を共有し再び北上開始。

 メディアの情報では震度6弱と聞いていたので、そこまで被害はないのではないかと想像していたが。。。 あくる日から現地を周りながら感じた事は、圧倒的に数が多い。田舎と違って、密集して家屋が立ち並んでいる所での地震だけに一軒一軒の被害が小さいけれど数が多く。点在して支援が必要な方が地域に見て取れた。

 また小さな揺れのお陰で、大きな被害は少なかったものの古く高齢者のお宅などで瓦屋根がずれる等の被害が出ていた。 つまり、若く比較的新しいお宅は被害が出ておらず、翌日からは通常の生活に戻り会社などに出勤しているケースが多く。年金生活の様な高齢者で古い家屋に住んでいる住民のお宅が被害にあり、避難しているなど地域の中でも地震の影響で二分化してしまった特徴を感じました。

 また被害が小さい事により地域の中に被災者が埋もれてしまい。ニーズが出て来ない状態になっているケースもあり、支援を進めていく中で様々な課題が見えてきました。

 災害NGO結として、今回は作業の調整などを行うのではなく、行政や社協など関係機関の調整や災害VCが経ち上がって行く中での気付きなどをサポートしたいと考えています。

DSCN5569

”見えずらい被災地を走り周り状況の把握”

DSCN5606

”OSN主催の情報共有会議に出席”

DSCN5632

茨木市社会福祉協議会が開設した災害ボランティアセンター”

 

【今週の活動】

6月18日(月)北九州~吹田へ移動

6月19日(火)吹田、茨木、高槻、枚方で現地訪問(大阪)

6月20日(水)茨木、高槻を中心に社協と現地調査(大阪)

       茨木市社会福祉協議会で打ち合わせ(大阪)

6月21日(木) 茨木市吹田市高槻市で現地調査(大阪)

       茨木市高槻市社会福祉協議会で打ち合わせ(大阪) 

       OSN主催の情報共有会議に出席(大阪)

6月22日(金)技術系プロボノ「茨木ベース」の運営サポート(大阪)

       高槻市社会福祉協議会で会議(大阪)

       枚方市社会福祉協議会に訪問(大阪)

6月23日(土)技術系プロボノ「茨木ベース」の運営サポート(大阪)

       茨木市今後の打ち合わせ(大阪)

6月24日(日)技術系プロボノ「茨木ベース」の運営サポート(大阪)

 

【今後の予定】

7月2日朝倉市で講演