桜を見上げ考える
桜を見上げ考える
桜@西予市
桜@東京
桜@宇和島
桜を見ると「日本だなぁ~」っと感じてしまう。沖縄出身の私にとって、以前から桜は身近な花ではなかった。因みに沖縄の桜は1月に散ってしまうので、この時期のお花見は本州の文化だと認識している。
桜を身近に感じたのは、2010年日本に帰ってきて、あっちらこちらで桜が咲き乱れている景色を見て、日本ぽい景色だなと思ったのが始まりだった気がする。
オセアニア~アジア~ヨーロッパ~中東と30~40ヵ国ほど、約3年間外国を旅していた時に、ふっと日本に帰りたいと考え一時帰国したのが9年前。数年間日本に滞在しアフリカに出発しようと思っていたのだが、東日本大震災が起きて気が付けば、毎年のように被災地を走り周る日々を過ごしている。
約3年ほど日本を離れていたから、ふっと桜を見た時に改めて日本を感じた瞬間だったなと桜を見る度に思い出す。
沖縄を離れ日本を旅した事で沖縄を感じたように、日本を離れ外国を旅した事で日本を感じた。旅をしながらアウトドアと触れた事で便利を知ったし、災害支援に触れたことで当たり前のものなんてないと知った気がする。 旅をしたり、仕事を変えたり、色々な環境が変わる生活を続けてきた事が、自分自身の周りの環境や状況というモノを俯瞰的に見たり、感じる事を意識するようになった気がする。
そんな自分は周りから時折、少し変わっていると言われる事が多い。
今年も日本各地で当たり前のように咲いている桜。
この桜を見ながら色んな方が色んなことを感じているのだろうな。
昨年には想像していない環境になった方。
去年と同様に元の環境には戻れず同じ環境で見上げている方。
新しい環境に感謝をしながら過ごしている方などさまざまな方がいるのだろう。
桜は何も変わらずただ自然の摂理で春になれば咲いているだけ、そこにいる私たちの取り巻く環境が変わっただけなのかもしれない。
きれいな桜を見上げながらそんなことを考える自分はやはりちょっと変わった日本人なのかもしれない。
2018年の災害支援を振り返り②
2018年の災害支援を振り返り②
昨年起こった国内の災害
大田市災害ボランティアセンター
一年の活動報告を作成しているのあたり、2018年度の活動の写真を見ながら、振り返ってみても、この一年は本当に忙しい一年だったなと思う。
2016年(熊本地震)2017年(九州北部豪雨)と2年連続で九州で支援活動を行っており、2018年上半期も朝倉市での活動を起点に活動していました。
2月に福井豪雪、4月に鳥取地震、6月に大阪北部地震、7月に西日本豪雨、9月に台風24号、北海道胆振東部地震と豪雪、地震、台風、豪雨と日本列島各地で大規模災害に見舞われた一年でした。
【2018年度の緊急支援を振り返り】
【伝える活動】
【販売部会】
出来た事
- 発災直後の復旧に講習会や勉強会を行う事が出来た。
- 各地で他団体と連携し拠点を設ける事が出来た。
- 有給スタッフを設けて活動の幅を広げる事が出来た。
- 多い時には、三ヵ所で拠点も設ける事が出来た。
- 事前に顔の見える関係作りが出来ていた事もあり、場所に寄っては連携がスムーズに取れた。
- 仲間の協力を頂き拠点を設けれた為、独自に支援者を募れた。
出来なかった事
- 被害規模が広範囲だったこともあり、現場を周れなかった地域があった。
- 三者連携を試みたが一部で関係性を築くに時間がかかり、スムーズな支援に結び付ける事が出来なかった。
- 有給スタッフに的確な指示や方向性を示す事が出来なかった。
- 中長期の支援を考え、地元支援の担い手育成(発掘)が困難だった。
- 地元支援者の育成が困難だった為、移行期にうまくつなぐことが難しかった。
毎年の様に各地で起こる自然災害。これまでに試行錯誤しながらも20ヵ所以上の被災地で支援活動を行ってきましたが、これまで一度ども満足いった支援活動を行えた感覚はなく、毎回のように反省と課題を感じながら被災地を離れています。また時間が発災直後には見えなかった潜在的な課題など、時間の経過と共に見えてきたりする為、時間がある時は過去の被災地に足を運び、被災地の様子などを感じる様にしています。
昨年の支援活動で得た気付きを、未来に繋げていく事が被害を受けた住民や地域の方の復興への力にも変わっていくと思っています。また私たち人間は過去を変える事は出来ないが、未来を変える事が出来る信じています。出来なかった事を出来るようにする為にも、平時の今準備出来る事から始めていきたいと思います。
これからも応援よろしくお願いします。
tom
今後の宇和島の支援
今後の宇和島市の支援
発災から9ヶ月を経過した 各地の被災地ですが、被災地の環境や支援者の状態なども変化しています。
年度末という事もあり災害従事車両(高速道路無料免除)が三月末で終了予定もあり、九州(熊本、朝倉)、三重県、関東など日本各地から宇和島市に足を運んでくれました。
3月に入ってからは、基本現場の調整などは行わず、宇和島市に移り住んだ「NPOナナの森」のT氏の協力を頂き、活動を継続しています。
NPOナナの森とは、「防災活動」と「災害支援活動」を中心に活動を行っている宇和島の地元団体。熊本地震、平成30年7月九州北部豪雨と過去の災害地での支援活動の経験から長期的な支援が必要と考え、2018年12月に家族と宇和島市に住所を移し、本格的に作業系活動を行っている団体。
3月末にはうわじまグランマのメンバーが主催のイベントもあり、発災直後から定期的に宇和島に駆け付けてくれた支援仲間が、関東~三重県~九州とあっちこっちから駆け付けてくれました。
イベントの前日には、これまでお世話になっていた拠点の片付けにも協力してもらい、来た時よりも美しくを目指しって宿泊場所、活動拠点の片付けを行いました。
久し振りに30人近くの支援者が集まった3月の最終末、改めてマンパワーの大切さ、可能性など感じました。 発災から9ヶ月近くになった今もこうして四国地区愛媛県の宇和島市に足を運んでくれる仲間たちに感謝。
うわじまグランマとは、西日本豪雨をきっかけに立ち上がった宇和島市の地元の団体。発災直後は物資、炊き出しといった支援を中心に行っており、今後は長期的な支援を考え、コミュニティー支援、子ども支援、防災など他の支援のジャンルを視野に入れて活動を行い始めています。また活動を通して中間支援を行う団体が不在で必要不可欠と気付き、同時に中間支援を行う団体に発展していく方向で進めている。
移行期を気にして年が変わた2019年1月から宇和島に滞在する時間を減らしながら、他の被災地や「伝える活動」(講演)を行ってきました。(今後地元主体で支援活動を行う為にも、少しずつ外部支援者の存在を薄くしていく事が必要だと考えています。)
今後も長い支援が必要な宇和島市。活動の主体を地元に移行していく事でこれからも駆け付けてくれる外部支援者を受け入れ、今後のニーズに対応出来る状況につながると思います。しかし、残念ながら月日が流れるにつれて社会(世間)の感心が減っていきます。また、遠方に足を運ぶ事が難しいなる事(制度や資金など)を考えると今後の被災地の復興への道は厳しいものです。 これからも災害NGO結は、定期的に宇和島市に足を運び、支援者(団体)を通して被災地を応援していきたいと思います。
※拠点であった吉田ベースは片付けましたが、継続的に地元支援団体「NPOナナの森」が、同じ場所で支援者を受け入れ支援活動を引き続き行っています。可能な方、興味のある方は是非、ご連絡してみてください。
毎年のように起きる日本各地での自然災害。そしてそれにより生まれる被災地。そしてそこで立ち上がり、試行錯誤をしながらも継続的に活動を続けている支援者たち。出来るからやるから必要だから行う、そして続ける為に考える行動していく。
発災直後、被害の状況を把握し直接支援を行いながら、被災地の変化を意識し考え、移り替わっていく状況に合わせ支援の幅、方向性を行いつつ、地元の支援者(団体)を発掘し育成し、自立を促しつつ距離感を持ってサポートする。
これからも日本各地で起こる被災地に「虫の目、鳥の目、魚の目」を意識しながら、被災地と共に支援活動を行っていきたいと思います。
「虫の目、鳥の目、魚の目」とは、課題や問題など一つの事を一方向から見て判断するのではなく、様々な角度から見て、感じて、考える事でそのモノの本質や隠れた課題、その後の問題になる要素を導く力につながる視点。
- 虫の目・・・ターゲット(部分)を絞り虫のように低い位置に意識し「狭く深い」を心掛ける視点
- 鳥の目・・・鳥のように高いところから全体像を把握する俯瞰的な視点
- 魚の目・・・ さかなのように、流れ(時間)を考え、その後どの方向に流れていくのかを判断する俯瞰的な目線
tom
国際ボランティア学生協会(IVUSA)
国際ボランティア学生協会(IVUSA)
彼らとの記憶は2012年の春。三重県尾鷲市で行われた海岸清掃で暖かいスープを2日間支援したのが初めての出会いだっただろう。
その後、日本各地の災害地で支援活動に入った際、毎回のようにIVUSAの姿を目にした気がする。 学生が主体になり、段取りや現場回し、片付けなど完結型で支援に入る彼ら。大きな被害を受けた地域がある際に彼らが来る情報が入ると、現場を調整している自分にとっては大変助かりました。
昨年は6月の大阪北部地震の茨木市・高槻市で共に支援に入り、その後の西日本豪雨災害では、岡山県倉敷市。その後は広島県坂町。そして今年に入り3月のこの時期に愛媛県宇和島市とあっちこっちの被災地でお逢いしたIVUSA。
また、彼らは活動で作業の段取りも大きな力を発揮しますが、何よりも若い力で地元の方に元気を与えるきっかけを作る事が多く目にする。
元気な姿で暑い中汗をかき、作業を行う学生の姿に心打たれ、帰っていく姿を見送る地元の年配の方が手を振っている姿には涙を見かける事もしばしばである。
実際、今回も3日間に渡り作業を行い、夕食2日間は地元の方と交流会を行い、食事しながら色々なお話を行っていました。 関東をはじめ関西の大学生がこの時期に、なぜ宇和島にボランティアに来たのか?なぜ行動に移したのか?被災地に住んでいる住民に取って遠方から自分自身の資金を使い、時間をかけ駆け付けてくれる事が理解出来ない方が多いらしく、ボランティア活動の事や学生の事、地域の事など色々な話に花が咲いていました。
「負けてたまるか。」の文字を背中に、各地の被災地に足を運び、若い力で沢山の元気を与えてくれるIVUSAの学生たち。直接彼らのサポートを行うわけではないですが、資材や地元の方との関係性作りなど、地元に少しだけ長く居る立場で邪魔にならない程度にサポートさせて貰っています。
これからも日本各地でお逢いする機会もあると思いますが、私なり出来る事、応援出来る事をさせてもらいたいと思います。
IVUSAとは、 国際ボランティア学生協会は、学生が主体になり段取り、片付けなど自己完結型のスタイルで、現地に入り活動を行う学生団体。発足から25年を迎える現在では、関東、関西を初め全国で会員数4000人を超える学生団体。被災地に入ってきた際には、頼りになる団体の一つです。
2018年度伝える活動(講演)
2018年度伝える活動
2017年度の支援活動の継続で九州に滞在している事が多かった2018年度の上半期ですが、JVOAD主催の全国フォーラム後の6月中旬からは、緊急支援で日本各地に走り周る日々を過ごしました。
災害NGO結の3つ事業の柱(災害支援&伝える活動&販売部門)の一つでもある。伝える活動(防災)では、被災地での講習会をはじめ、朝倉市、日田市から熊本地震の被災地へ支援団体を訪ねたスタディツアーを企画したり、被災地から学んだことをお伝えする講演を行ったりしつつ、少しでも多くの方に経験から見えてきた事、感じた事、学んだ事などを自分なりの言葉でお伝えしてきました。
災害NGO結のミッションとビジョン
- ミッション
災害NGO結は、災害で浮き彫りになった現代社会の問題に対し、積極的に行動し関わりをもつきっかけを生み出すことで、人・社会・自然環境を互いに結び、人々が遠い未来を自らの手で作るためのサポートを行います。
- 4つビジョン
1、彼方の行動を結ぶ(他人ごと→自分ごと)(アクション)
2、彼方と人を結ぶ(個性)(分野を越えた)(役割)
3、彼方と自然を結ぶ(環境)(営み)
4、彼方と未来を結ぶ(持続可能な環境)(担い手)
- 3本の事業の柱
- 災害支援(直接支援&中間支援&移行期支援、担い手の発掘・育成)
- 伝える活動(講演・講習会など)
- 販売部門(被災地の商品開発支援・購入支援・販売支援)
〇講習会
・平成30年7月豪雨(倉敷市・坂町・宇和島市) 床下剥がしや家屋復旧の説明など
〇スタディツアー
・九州北部豪雨支援者@熊本ツアー(5月15日~16日)
支援団体の交流と活動を通して被災地で学んだ事を教えてもらうスタディツアー
〇講演
- 1月27日「防災のつどい」(東京)
- 2月21日「九州北部豪雨報告会」(東京)
- 2月27日「災害ボランティア」(広島市安佐南区)
- 3月3日「朝倉ボランティア連絡会議」(朝倉市)
- 6月12・13日「JVORD全国フォーラム」(東京)
- 7月2日「JAあさくら筑前女性部」(朝倉市)
- 9月3日「愛媛県域情報共有会議勉強会」(愛媛県)
- 12月16日「防災セミナー」(宇和島市)
- 12月17日「愛媛県域情報共有会議勉強会」(愛媛県)
- 1月10日「防災講演」(神戸市灘区中学校)
- 3月1日「災害ボランティアセンター中核研修」(愛媛県)
- 3月17日災害ボランティアセンター運営研修(萩市
この八年間で各地で色々とお話させてもらいましたが、まだまだ経験値が少なく人前でお伝えする能力が低い為、聞いている方、活動している方、迷っている方などに理解してもらえるまでには至らないコトも多いのではと感じています。
これからも、もっと自分自身が見えているモノ、感じた事など言葉のボキャブラリーや表現方法なども学びつつ伝える力を身に着けていきたいと思っています。また言葉だけではなく、WSや研修など様々な手法を使って行けるように工夫していきたいと思います。
少しでもゆとりが出来た時に、足を運びながら沢山の方(場所)から多くの事を学び、伝えていく力を手に入れていきたいと思います。
tom
Social Shop 半人前
Social Shop 半人前
農家から購入したみかんで作ったオリジナルジュース
今更ですが、昨年末から災害支援とは別に新しい取り込みを行っています。
そもそも、私が災害支援を行い続けているいる目的の一つに、災害で浮き彫りになった社会の問題に、メッセージを乗せ支援を行う事が未来につながると思い活動しています。 しかし、災害現場では災害支援だけでは、表現出来ない事も多くあります。
そこで立ち上げたのが、Social Shop 半人前と名付けたネットショップ(小売り)です。
時間に追われ社会の中で日々忙しく生活をしている現代社会。その現代社会の中でも出来ることの1つに買い物がある。ネットを通して無理をせずに買い物することで、社会の課題に向けて取り組んでいるの方々に繋がり。ちょっと社会が変わるきっかけに関われる。関われば関心に変わり、興味に変わる。
そんなきっかけを買い物で、演出出来たらと思い「Social Shop 半人前」を立ち上げました。
被災で減農薬になったみかん
柑橘ミックスBOX
被災地で出会った農家の方々は様々な環境があります。支援に入った事で繋がったご縁を活かし、色々な訳ありみかんを購入させてもらい、販売しました。農家の方から直接購入する事で、支援活動では出来ない農家支援。少しでも収入につながる事が、農家としての復興の一歩につながると思っています。
また、倉庫に保管してあり被災してしまったジュースを購入させてもらい、販売させてもらうなど、被災という訳あり商品を扱い販売させてもらいました。
世の中の方が被災をマイナスに考える中、発想の転換に変え、地元の方々が少しでも新しい視点も持ってもらいたいと思い。販売を行いました。
つながるみかん(被災したジュース)
買って応援!食べて応援!といった遠方の方でも被災地に関心も持ってもらい購入する事で、少しでも被災地とつながりを感じて関心を持ってもらいたいと思っています。
被災地のモノを購入する事で関心に繋がり、興味を持ってもらいたいと思います。悲しみや涙、痛々しい景色や物語よりも、綺麗な景色、美味しい味、魅力的な文化の方が興味も関心も大きく継続的に覚えてもらえると思います。
これからは被災地や被災地外など、社会課題につながるモノを商品にさせてもらいちょっとした関心や気付きを買い物というツールを通して、演出出来ればと考えています。
Social Shop 半人前とは、買い物を通してつながることが社会をちょっこっと良くするきっかけや関心につなげるショップ。社会課題につながる取り組みを買い物というツールを通して、関われる環境作りを行うショップ。
ハチドリ舎@広島
ハチドリ舎@広島
災害支援仲間の一人でもあるA氏は、広島市内でSocial Book Cafe ハチドリ舎というお店をやっている。
4年前の広島土砂災害の支援活動で出会った彼女。その後、関東・東北豪雨の常総市で共に災害ボランティアセンターの立ち上げなど支援を行った事がある彼女。その後は広島市内でお店をOPENし、昨年は安芸区社会福祉協議会の災害ボランティアセンターの運営にも関わっていました。
自然災害を中心に支援活動を行いながら、社会の課題などを表現しているつもりの私に対して、同い年であるA氏は広島を起点に平和活動を行いながら社会問題などを行っている。 同い年であり、活動を通して社会に対してメッセージを送っている活動家の一人。時々顔を合わせて、今考えている事、最近学んだ事、今後行いたいコトを話しながらお酒を交わす事は自分にとって大切な時間です。
同世代でこうして時間を過ごせる頃が嬉しくも、もっと同世代の方と共に語れる事が出来たらと思う。
そして毎回ですが、こうして一緒にいるといつも長居してしまう自分がいる。次の日も早いのにもかかわらず共に時間を過ごしてくれた仲間に感謝。
また来ます!
Social Book Cafeハチドリ舎とは、「自分でつくること」をコンセプトにし、人と人、人と社会、広島と世界をつなげるブックカフェ。定期的に講演・映画の上映会・お話会・音楽イベントなどを開催 しており、社会を生き抜く知恵を身に着けるきっかけがいっぱいあります。
tom